秋季特別展 『民藝運動の巨匠たち―濱田庄司・河井寬次郎・棟方志功』
『民藝運動の巨匠たち―濱田庄司・河井寬次郎・棟方志功』
2011年9月10日(土)~12月20日(火)
助成・独立行政法人 日本万国博覧会記念機構
大正時代末期から、柳宗悦(1889-1961)らが興した民藝運動は、民衆が伝統的に用いてきた雑器などの日常品に美を見出そうとする運動でした。本展では、民藝運動を牽引し、自らも独自の作品世界を築き上げていった三人の巨匠を紹介します。
■ 濱田庄司(1894-1978)
神奈川県生まれ。東京高等工業学校(現東京工業大学)窯業科卒後、京都市陶磁器試験場に入所。渡英して作陶に励み、帰国後栃木県の益子に窯を築く。柳らと民藝運動を推進、日本民藝館(東京)、大阪日本民芸館の館長も務めた。1955年、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。生活に根ざした健やかで堅実な作風を確立した。
■ 河井寬次郎(1890-1966)
島根県生まれ。東京高等工業学校窯業科卒後、京都市陶磁器試験場に入所。京都市五条坂に窯を築き作陶を行う。東洋古陶磁の技法による作品を作っていたが、民藝運動に関わり実用を意識した作品に取り組むようになる。多彩な釉薬を用い、重厚で変化に富んだ形の器を生み出した。晩年には独創的な造形表現を展開。
■ 棟方志功(1903-75)
青森県生まれ。「瓔珞(ようらく)譜(ふ)・大和(やまと)し美(うるわ)し版画巻」(1936年)が柳・濱田・河井らに注目されたことをきっかけに、民藝運動に関わる。原始的な力強さを持った木版画を制作、国際的にも評価された。万博のために制作した「大世界の柵『乾(けん)』―神々より人類へ」は縦2.4m、横13.5mの迫力ある大作。