秋季特別展 『芹沢銈介と日本の染織』
『芹沢銈介と日本の染織』
2012年9月8日(土)~12月16日(日)
助成・独立行政法人 日本万国博覧会記念機構
静岡市の呉服商に生まれた芹沢銈介(1895-1984)は、柳宗悦(1889-1961)の提唱した民藝思想に共鳴し、沖縄の紅型に影響を受けながら、独自の染色作品を生み出しました。1956年には、「型絵染」の技法で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されています。本展では、芹沢による屏風・着物・反物・のれんなど、染色作品を中心に展示します。あわせて、民藝運動を牽引し、その精神を継承した染織家の作品を紹介するとともに、絣・絞り染・型染・刺し子・筒描・裂織など、日本の染織品もご紹介いたします。
春季特別展 『陶芸家 武内晴二郎 -眼で作った仕事-』
『陶芸家 武内晴二郎 -眼で作った仕事-』
2012年3月10日(土)~7月22日(日)
助成・独立行政法人 日本万国博覧会記念機構
武内晴二郎(1921-79)は、大原美術館の初代館長であった武内潔真(1888-1981)の次男として岡山市に 生まれ、多くの美術品や工芸品に親しんで育ちました。中央大学経済学部に進学しますが、学徒動員で入隊、中国漢口(現湖北省武漢市)にて戦傷を受け左腕を失います。復員後、倉敷市で作陶を開始。その仕事には、民藝運動を牽引した柳宗悦(1889-1961)、河井寬次郎(1890-1966)、濱田庄司(1894-1978)らの大きな影響がありました。57歳で没するまで、型物を中心にスリップ(化粧土)や型押・象嵌・練上などの技法を用いて、重厚かつモダンな作品を生み出しています。
濱田は、「武内晴二郎君の陶器は手で作ったというより眼で作ったといいたい気がします」と評しました。武内自身、李朝の白磁や古丹波、古常滑、英国のスリップウェア、古い中国、ペルシャ、アメリカインディアン、西欧の中世陶器などに心引かれたと語っています。優れた鑑賞眼がその作品に生かされているといえるでしょう。
本展では、柳から送られた書簡などの資料もあわせて約130点を展示します。武内の作品展としては最大規模となる貴重な機会です。